Trace Id is missing
2024/12/03

デンソー、Microsoft 365 Copilot 導入で社員の余力創出と品質向上を実現

デンソーは創業以来、社員を最重要資源と位置付け、16 万人の社員をデジタルで繋ぎ、DX を推進し業務改革を加速させてきた。社員一人ひとりが AI を活用する風土・働き方変革の必要性を感じ、生成 AI の活用に踏み切った。

Microsoft 365 Copilot の導入が決定され、IT 部門や有志 300 人、各部門長と選出社員 6,000 人、本社 30,000 人への展開が進められた。Microsoft 365 Copilot が日常業務に使用している Microsoft 365 に組み込まれているため迅速化できた。

 

DX の加速により、導入初期の 300 人でひとりあたり月 12 時間の業務時間削減を達成。設計部門では、設計品質も向上し、Microsoft 365 の豊富な認証機能で安全性も確保。

 

デジタルを活用し業務変革を進めるデンソー。変化の時代を力強く生き抜く企業へ、グローバル約 16万の社員一人ひとりの生産性・創造性の向上に向け、生成 AIの活用に着目しました。

デンソーの経営層が大きな関心を示し期待を寄せたのが、Microsoft 365 Copilot でした。ポイントは、特定業務ではなく、全社員が日常業務で利用できるという点です。デンソースピリットとして脈々と受け継がれている「カイゼン」。小さな改善を積み重ねることが発展の原動力になるという考え方は、Microsoft 365 Copilotの方向性と一致しています。デンソーは、スモールスタートで Microsoft 365 Copilotを先行導入し効果を測定、その成果を受けて 2024 4月に本社社員 6,000人に導入。今後社員 3万人導入へ全社展開が決定しています。

AIを当たり前に活用する風土・働き方変革を一気に推進

世界トップクラスの自動車部品メーカーとしてグローバルに活躍するデンソー。100年に一度の大変革期にくわえ、カーボンニュートラルの実現に向けて目指しているのは、「環境・安心の価値を最大化し、共感を生む」ことです。環境領域では CO2の排出と吸収でプラスマイナス「ゼロ」を、安心領域では交通事故死亡者「ゼロ」を、いずれも究極のゼロ実現に取り組んでいます。さらに、自動車部品生産で培った技術を軸に、分野の枠を超えた事業展開にも積極的です。

デンソーは、1949年の創業以来、“人”を最重要資源と位置付け、ヒトづくりに注力してきました。変化の時代を勝ち抜くためには、グローバル約 16万人の社員一人ひとりが志を高め、力強く歩むことが必要です。新たな価値を創造するべく、デンソーグループ16万人の社員をデジタルでつなぎ、DX (デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進しています。DXのさらなる加速では、デジタル化のその先に取り組むことが重要になると、株式会社デンソー ITデジタル本部 デジタル活用推進部長 白井 智明 氏は話します。

「コロナ禍で在宅勤務を実現するために、デジタル化を推進し紙による仕事から脱却しつつあります。ただ、デジタルを前提とした仕事の仕方をしているかというと、これからの状況です。状況打開に向けて、社員一人ひとりの意識や職場風土を変えた上で企業変革が必要となります。本来中期的に捉えるべきテーマなのですが、変化の時代はスピードが求められます。まずは AIを当たり前に活用する風土・働き方変革を一気に進めていきたいと思います」

経営トップや役員は、飛躍的に進化した生成 AIに大きな関心を寄せていたと白井氏は次のように振り返ります。「生成 AIを活用し小さな成功体験を積み重ねることで、現場の余力を生み出し、より重要な業務に集中できる時間を創出する、キーテクノロジーの 1つになると確信していたからだと思います。また、全社員が利用する Microsoft 365に組み込まれた Microsoft 365 Copilotは、効果を最大化できる点が高く評価されていました」

Microsoft 365 Copilotは、特定業務ではなく、全社員が日常義務で利用し、社員一人ひとりの生産性・創造性の向上に寄与できます。「設立以来培ってきた価値観や信念を明文化し、世界中のデンソー社員と共有したデンソースピリットには、先進、信頼、総智・総力の 3つの柱があります。その中で、信頼の項目に掲げているのが『カイゼン』です。小さな改善であっても、日々繰り返すことが発展の原動力になるという考え方は、Microsoft 365 Copilotの方向性と一致しています」と本社での大規模導入決断の背景について白井氏は話します。

デンソーでは、生成 AIに関して適材適所で棲み分けをおこなっています。特定業務向けに Azure AI StudioWebベース開発環境 Azure OpenAI Studioを、職場で利用する汎用的なオフィス業務向けに Microsoft 365 Copilotを、それぞれ特性を生かした活用を進めています。

白井 智明 氏, IT デジタル本部デジタル活用推進部長, 株式会社デンソー

生成 AIを活用し小さな成功体験を積み重ねることで、現場の余力を生み出し、より重要な業務に集中できる時間を創出する、キーテクノロジーの 1 つになると確信していたからだと思います。また、全社員が利用する Microsoft 365 に組み込まれた Microsoft 365 Copilot は、効果を最大化できる点が高く評価されていました

白井 智明 氏, IT デジタル本部デジタル活用推進部長, 株式会社デンソー

全社大規模導入に向けて成功体験を積み重ね 3つのステップで展開

デンソーは、Microsoft 365 Copilotの本社大規模導入に向けて 3つのステップを踏みました。全社導入を一気に進めても、「何にどう使ったらいいのか」がわからない社員も多いと推察したからです。成功体験を積み重ね、社員から理解と共感を得ながら浸透させていくアプローチをとりました。

202310月に第 1ステップとして 300人という規模で Microsoft 365 Copilotの先行利用を実施。対象となったのは、IT部門と、Azure AI Studio導入の際に協力した各部門の有志です。この先行利用により、汎用業務においてひとりあたり月 12時間という一定の時間削減を確認できたことから、20244月に第 2ステップとして検証対象を拡大。200以上の部門を有する同社において、各部門長と、部門長が選出した社員が利用を開始しました。「企業風土を変えるために、実行力のある部門長に使ってもらい、自ら意識変革をおこなうことで部門全体への浸透を図る狙いがありました」(白井氏)

2ステップで利用対象を 6,000人に増加。成果を確認し 3カ月後の 2024 7月に第 3ステップとして本社 30,000人への本格導入が決断されました。スピード感のある展開を可能にしたのは、Microsoft 365 Copilotが日常業務で使っている Microsoft 365アプリに組み込まれているためです。Microsoft 365をベースとするメリットは、導入のしやすさだけではありません。企業で生成 AIを使う上で、最優先課題となるセキュテリィの確保にもつながります。「豊富な認証機能など Microsoft 365の強固なセキュリティのもとで Microsoft 365 Copilotを安全安心に利用できる点は大きなメリットです」と、株式会社デンソー ITデジタル本部 IT基盤推進部 デジタルワークプレイス推進室 石川 昌志 氏は話し、付けくわえます。

「さらに SharePoint OneDriveの社内データに対するアクセス権限がそのまま、Microsoft 365 Copilotのデータ参照権限に反映されるため、利便性と安全性の両方を実現できます」

生成 AIの活用において懸念されるのは、ユーザーが生成 AIに指示するプロンプトを生成 AIが学習に利用するのではないかという点です。デンソーでは、生成 AIの活用におけるセキュリティを確保するために、システム構築部門 (IT部門)とセキュリティ部門が情報連携を強化しています。また、日本マイクロソフトとも連携し、これらの懸念点について念入りに確認をおこないました。その結果、「生成 AIが検索した結果だけを返す仕組み」が明確となったため導入を実施しました。

Microsoft 365 Copilotの活用では、情報を過剰に共有しすぎるオーバーシェアリングも課題となります。これを解決するために、Microsoft 365の機能を利用しおこなっている、ラベリングが役立つと石川氏は話します。「社員はデータを作成した際に、極秘、マル秘、関係者外秘の 3段階に機密度を分けてラベルの振り分けを行っています。Microsoft 365 Copilotも機密度のレベルに合わせてアクセス権を制御でき、機密レベルの高い情報は探しに行かないよう設定することもできます」

石川 昌志 氏, IT デジタル本部 IT 基盤推進部 デジタルワークプレイス推進室, 株式会社デンソー

豊富な認証機能など Microsoft 365 の強固なセキュリティのもとで Microsoft 365 Copilot を安全安心に利用できる点は大きなメリットです。さらに SharePoint や OneDrive の社内データに対するアクセス権限がそのまま、Microsoft 365 Copilot のデータ参照権限に反映されるため、利便性と安全性の両方を実現できます

石川 昌志 氏, IT デジタル本部 IT 基盤推進部 デジタルワークプレイス推進室, 株式会社デンソー

時間の削減だけでなく品質向上面でも効果

20244月、第 2ステップで導入後、多くのユーザーから「どのようなことに使えるのかを知りたい」という声が寄せられました。「普及への第一歩として、利用事例の横展開を図りました。先行利用においてアンケートを実施し、利用事例集として情報をまとめてユーザーに提供しています」と、株式会社デンソー ITデジタル本部 デジタル活用推進部 デジタル活用推進室 開発プロセス変革課長 堀部 宗尚 氏は話します。

6,000人の社員に対し浸透を図るためには、継続性とともに、情報提供の仕方にも工夫が必要です。IT部門からの情報発信だけでは、ユーザーの共感を得難い側面があります。「ユーザー自身が成功事例を発表する、ユーザー会を開催する企画も立てています。また、Teamsを使って Microsoft 365 Copilotの動画コンテンツ配信や、Webで気軽に参加できるウェビナーなども実施中です」(堀部氏)

先行利用の用途で多かったのが、Teamsの会議要約でした。「発言内容の確認以外に、欠席した会議の内容把握でも利用されています。交代勤務のある製造部門の班長は、昼間のオンライン会議の要約を夜勤時に確認するのに活用しています」(堀部氏)

グローバル企業のデンソーは英語資料の作成や和訳をする機会も多くあります。「Microsoft 365 Copilotの翻訳機能は精度が高いという声をよく耳にする」と堀部氏は話します。

時間の削減では、業務上の不明点を確認する時間を削減する点で大きな効果を生み出します。従来、設計部門では過去の設計情報や資料を利用するために SharePoint上の情報を検索し、見つからない場合は詳しい人に確認していました。Microsoft 365 Copilotは、自然文 (話し言葉)による対話型で、求めている情報を探して要約もしてくれます。堀部氏は、「みんな自分の仕事で忙しくしているので、聞くこともはばかれることも多いです。特に、若手から喜ばれていますね。検索では、社内用語や会議室情報など、知りたいことを、とりあえず Microsoft 365 Copilotに聞く使い方も重宝されています。企業風土も変わりつつあると感じています」と話します。

Microsoft 365 Copilotによる効果は、時間削減だけではありません。同社において注目すべきは、品質向上面で効果があったことでした。設計部門では、Microsoft 365 Copilotから社内に蓄積されたデータを基に、これまで気づかなかった注意点などのアドバイスを得ることができ、新しい観点をくわえることで設計品質の向上が図れたとの事例がありました。自分にはなかった発想で業務をおこなうというケースは、さまざまな部門で応用できる使い方です。「Microsoft 365 Copilotにより能力や可能性が拡大することは、モチベーション向上につながります。モチベーションこそが、生産性や競争力の源泉となると思います」と白井氏は強調します。

Microsoft 365 Copilotを利用し求めている回答を得るためには、プロンプトの精度が重要です。同社の社内利用事例集の中には、プロンプトと回答例が掲載されており、コピー&ペーストで使うことができます。まず使って体験し、慣れるほどにプロンプトの内容を変えて習熟していくことが可能です。

堀部 宗尚 氏, IT デジタル本部 デジタル活用推進部 デジタル活用推進室 開発プロセス変革課長, 株式会社デンソー

“設計部門では、 Microsoft 365 Copilot  から社内に蓄積されたデータを基に、これまで気づかなかった注意点などのアドバイスをもらうことができ、新しい観点を加えることで設計品質の向上が図れたとの事例がありました。自分にはなかった発想で業務をおこなうというケースは、さまざまな部門で応用できる使い方です”

堀部 宗尚 氏, IT デジタル本部 デジタル活用推進部 デジタル活用推進室 開発プロセス変革課長, 株式会社デンソー

今後ユーザー数を 3万人に拡大へ、手厚いサポートに期待

生成 AIは進化するスピードが速く、ベンダーの支援が成否を左右します。日本マイクロソフトのサポートについて堀部氏は言及します。「生成 AIの棲み分けやセキュリティから Microsoft 365 Copilotの本社導入、運用、定着化まで、当社の立場に立った細やかなサポートを受けています。マニュアルの提供はもとより、使い方を紹介する社内イベントに一緒に参加してもらい、ユーザーの質問に答えるといった協力もしてくれました。さらに、コミュニケーションを密にとり、当社のリクエストに対するレスポンスも迅速です。今後、ユーザー数を 3万人に拡大していく計画に伴い、要件や課題の複雑化が想定されるため、これからも手厚いサポートをお願いします」

インフラの観点から Microsoft 365 Copilotのポテンシャルについて石川氏は話します。「Microsoft 365 Copilotは進化のスピードが速いと感じています。当社の実情に合わせて新しい機能をどう適用すべきか、技術的支援を期待しています」

Microsoft 365 Copilotの普及では、施策実施と効果測定の両輪を上手くまわすことが必要です。デンソーでは、先行利用の段階からアンケートにより定量的効果として時間削減を、定性的効果としてユーザーの実感値を、それぞれ測定してきました。今後は、それらにくわえ、マイクロソフトの機能を活用し、ユーザーの Microsoft 365 Copilotの利用率などのデータも組み合わせ、より詳細に効果検証をおこなっていきます。

効果測定のレポートは、3カ月に 1回開催される本部長会議にも提出されます。「なぜ、自分の部署はMicrosoft 365 Copilotの利用率が低いのか、問い合わせがあれば説明や、よく使っている人や用途などの情報も提供します。Microsoft 365 Copilotの利用率を全社で高めていくムードづくりをしていきたいと思います」(白井氏)

デンソーにはカイゼン文化が根付いています。Microsoft 365 Copilotを生かすためには、IT部門と現場との間での意見交換が重要なポイントとなります。「各部門では、Microsoft 365 Copilotを組み合わせることでもっと上手くプロセスがまわるのではないかといった考え方やアイデアを持っています。業務変革の中に、Microsoft 365 Copilotを組み込むことができるのではないかと話し合っています」(堀部氏)

今後の展望について白井氏は話します。「デンソー本社の成功事例をもとに、国内外のグループ会社への展開も視野に入れています。国内外のグループ会社から希望者を募って先行利用する取り組みも始めました。また本社においても Microsoft 365 Copilotにより時間短縮を拡大する余地はまだ多く残っています。創出した時間を本来集中するべき仕事に当てることで、『地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい』という 2030年長期方針の実現に寄与していきます」

最高の品質と技術で「デンソーらしい」価値を創造し続け、人々や社会の幸せに貢献していく。Microsoft 365 Copilotは、社員一人ひとりの高い志に応え、可能性と能力を最大化します。

次のステップに進みましょう

Microsoft でイノベーションを促進

カスタム ソリューションについて専門家にご相談ください

ソリューションのカスタマイズをお手伝いし、お客様独自のビジネス目標を達成するためのお役に立ちます。

実績あるソリューションで成果を追求

目標達成に貢献してきた実績豊かな製品とソリューションを、貴社の業績をいっそう追求するためにご活用ください。

Microsoft をフォロー